インボイス制度が2023年10月1日から導入されます。
インボイス制度が始まるということだけは知っているけど、具体的にどんなことをしなければいけないのかわからない人も多いのではないでしょうか。
それは、板金工事を請け負っている一人親方も例外ではありません。
この記事では板金工事を請け負っているような一人親方にとって、インボイス制度がどのように影響してくるのか説明します。
インボイス制度とは
インボイス制度は、消費税が複数税率になったことにより制定された、新しい仕入税額控除の方式で、正式名称は「適格請求書等保存方式」といいます。
適格請求書とは、現行の区分記載請求書の記載項目に加え、登録番号と税率ごとに区分した適用税率と消費税額が記載された請求書のことです。
インボイス制度導入後は、一定の記載要件を満たした「適格請求書」が発行された取引にのみ、消費税の仕入税額控除が適用されます。
この仕入れ税額控除とは、仕入れ時に売上に掛かった消費税から仕入れに掛かった消費税を差し引いた差分を納税するものです。
売り手側は買い手側から求められた際に適格請求書を発行する義務があり、買い手側は売り手側から受け取った適格請求書を7年間保存する義務があります。
インボイスを発行するには「インボイス発行事業者（適格請求書発行事業者）」として税務署に登録をしなければなりません。
しかしながら、必ずしも一人親方全員がインボイスを発行しないといけないわけではありません。
一人親方とインボイスの関係について一緒にみていきましょう。
一人親方もインボイス制度の影響を受ける？
結論からいうと、板金工事を請け負っている一人親方はインボイスを発行していないと、仕事が減る可能性が出てきます。
仕事を依頼する業者や会社が、インボイスを発行できない免税事業者の一人親方へ依頼すると、消費税を支払う際に仕入れに係る消費税を差し引くことができません。
すなわち、仕事を依頼する会社の消費税の負担が増える結果になります。
インボイスを発行できる法人や一人親方が相手の場合は、これまで通り仕入税額控除が適用できます。
そのため、今後仕事を依頼するときには「免税事業者の一人親方は損だから止めておこう」となる可能性がでてくるのです。
また、現在継続的に依頼されている仕事についても、インボイスを発行している人に依頼しようと、仕事を減らされてしまったり、価格の交渉をされる可能性もあります。
このように、一人親方もインボイス制度の影響を受けるので、インボイスを発行するのか、免税事業者のままでいるのかはよく考えましょう。
一人親方がインボイス制度導入後に検討すること
板金工事を請け負っている一人親方が、インボイス制度導入後に検討することについて一緒にみていきましょう。
年間売上1,000万円超の課税事業者の場合
年間売上1,000万円を超えた課税事業者である一人親方がインボイスを発行するには、税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出するだけで手続きが終了します。
逆にいえば、課税事業者であろうと、登録しなければインボイスは発行できません。
まずは、納税地を管轄する税務署に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しましょう。
税務署の審査後、登録名簿に登録され公表されます。
これはインターネット上で確認できますので、不安な方は確認してみてください。
税務署から登録の旨や登録番号が通知されます。
手数料は無料で、登録は任意ですが、もともと消費税申告の義務がある課税事業者にとっては、登録するデメリットは手続きに時間がかかるだけです。
何もなければ登録を済ませておきましょう。
売上1,000万円以下の免税事業者の場合
最初に結論をいうと、適格請求書発行事業者に登録せずに免税事業者のままでも、相手先が支払い応じる場合にはなにも問題はありません。
しかし、相手先が課税事業者である場合、適格請求書が発行されない取引は課税事業者の税負担が増すため、仕入税額控除のためにインボイスを求める可能性があります。
取引をするのが課税事業者の場合、確認をしましょう。
また、取引先が免税事業者の場合や一般消費者に対しての商売の場合、適格請求書の発行や保存が不要なので、免税事業者のままでいても事業への影響は大きくありません。
取引先が簡易課税選択事業者である場合も適格請求書は不要です。
インボイス登録事業者になると、例え基準期間や特定期間で売上1,000万円を超えていなくても消費税申告と納税、帳簿付けの義務が発生します。
資金繰り的には厳しい状況になるかもしれません。
まとめ
今回は2023年10月から始まるインボイス制度について、建設業で働く職人との関係や、制度の内容について詳しく解説しました。
一人親方として仕事を受ける場合、必ず知っておかなければならない情報なので、しっかり内容を理解し、自身に該当する場合には正しく申請しておきましょう。
東宝プラントではおもに足場仮設や板金工事をおこなっており、ともに働く職人を募集しています。
未経験でも経験豊富な職人が基本的な作業から寄り添ってひとつひとつ丁寧に教えますので、興味のある人はお気軽にご相談ください。
